【取材事例】目黒区様向け統合プラットフォーム構築

目黒区役所様_地図画像

【取材事例】
統合プラットフォームとして
「intra-mart®」と「ASTERIA Warp」を採用

各業務システムの柔軟な選定が可能となり
ベンダーロックイン脱却を実現

【背景】
現行システムの改修コストとシステム硬直化を改善するためのシステム更改を決定

目黒区では人事給与システム、庶務事務システム、文書管理システムなどで構成された内部情報システムが導入から10年以上が経過していた。
この間、業務の変化や制度改正などの環境の変化、制度改正に伴う改修など多額の費用が発生していた。
また、現行システムでは財務情報システムや文書管理システムなどの各業務システムがひとまとめで製品化されたオールインワンパッケージを採用していたが、業務ごとに最適なシステムを個別選定できないことによるシステム硬直化や、特定のベンダーに依存するベンダーロックインにも繋がっていたため、オールインワンパッケージの脱却も目指して、システム更改に踏み切った。

【課題】
従来のオールインワンパッケージの導入では最適な業務システムの構築は実現できない

同区が従来採用していたオールインワンパッケージは、どんな組織でも使いやすいよう作られた汎用的な機能で構成されているため、特有の業務に適した業務システムの実現はできなかった。
また、オールインワンパッケージは各業務システムを内包しているため、システムの導入規模も大きくなり、構築できるベンダーが限られてしまうことから、特定ベンダーに依存せざるを得ない状況となっていた。

同区の情報政策推進部 情報政策課長の村田 悠哉氏は当時のシステム更改の方針検討について次のように語っている。
「シングルベンダーによるオールインワンパッケージを採用する前提だと、特定ベンダーに依存することになり、各業務で最適な製品を選定するのではなく、全体的に平均点が高いシステムを選ぶことになるため、『これを実現したい』という能動的なシステム選定ではなく、失敗しないように及第点を目指す調達になってしまう。そこから脱却したかった。」

情報政策推進部 情報政策課長 村田 悠哉氏

【解決】
intra-martとASTERIA Warpによる統合情報基盤を採用し、各業務システムのハブとして活用

オールインワンパッケージを脱却するためには、各業務システムのマスタデータの連携やインターフェースをどのように管理・制御するかがポイントとなっていた。
同区では各業務システムのインターフェースとマスタデータの管理基盤として「intra-mart」、業務システム間のデータ連携ツールとして「ASTERIA Warp」で構成し、システム間のハブとなる「統合情報基盤」を採用することで、課題解決を図った。

この統合情報基盤では、人事給与システムで職員情報(マスタデータ)が更新された際、更新データがintra-martの職員情報管理機能に保管され、ASTERIA Warpが更新データを加工・連携することで、他の業務システムに最新の職員情報が自動連携される仕組みを作った。

【効果】
マルチベンダーによる最適な製品選定/導入が可能に
さらに マスタメンテナンス業務の大幅削減・申請業務のペーパーレス化などの業務効率化を実現

<導入効果一覧>

  • 職員情報/所属情報などを一元管理し、データ連携ツールで自動連携することにより、従来 手作業で行っていたマスタメンテナンス業務を大幅に削減
  • ワークフロー機能による申請業務のデジタル化(ペーパーレス化)を実現
  • 職員向けポータル機能の提供により、各業務システムの進捗状況の見える化および統合認証基盤の提供によるシームレスな業務実行環境を実現
  • 各業務システムの統合情報基盤として機能することで、各業務システムをマルチベンダーによる最適な製品選定/導入することが可能となり、ベンダーロックインのリスクを排除

今回のシステム更改により、課題となっていた各業務システムのマスタデータの同期が可能となった。このことにより、業務システムの個別調達が可能となり、最適な業務システムを選定/導入できる環境を実現した。
直近では財務会計システムや文書管理システムを個別のプロポーザル方式での調達を実施することができ、早々に統合情報基盤としての役割を果たしている。

さらに、統合基盤としての機能だけではなく、intra-martのワークフロー機能を用いることで、従来紙で行っていた職員証の再交付申請などの申請業務をintra-mart上で完結させることによる申請業務のペーパーレス化の実現や、職員/所属情報を統合情報基盤上で一元管理・自動連携することによるマスタメンテナンス業務の自動化を実現し、同区の職員の業務効率化に繋がった。

【未来】
システム全体で最適な業務システムを構築し、業務自動化100%を目指す

同区では当面は財務会計システムや文書管理システムの本稼働に向けて進めており、統合情報基盤をベースとして文書管理システムの100%ペーパーレス化の実現を目指し、その他の業務システムでも定型業務の100%自動化を実現させる意向だ。
村田氏は「システム全体としては最終的な完成形にはなっていないが、次回の業務システム更改の際に自由な選定が出来る。きっとそれは5年後とかに今回の判断が正しかったと実感するのではないか。」と述べている。

【最後に】
プロジェクトを終えて

同区の情報政策推進部 情報政策課 係長の伊藤 英幸氏は、今回のプロジェクトでのフォーカスシステムズの印象について次のように述べた。
「新型コロナの影響もあり、オンライン会議で打合せしていましたが、最初はお互いに探り探りで進めていた印象でした。当区も従来のオールインワンパッケージからの切り替えという初めての試みの中で、フォーカスシステムズさんが当たり前と思っていることも、当区では分からないというケースがあり、模索しながら進めてました。そのような時、知ったかぶりじゃないですけど、お互いが当然のように使う言葉を何となく理解しただけの状態で進めてしまうことも多々あると思います。しかし、私は分からないときは素直に質問してみるのですが、フォーカスシステムズさんは丁寧に教えてくれて、お互いがしっかり理解した状態を作り上げることで、議論も活性化しました。おかげで無事にプロジェクトを進めていくこともできましたので、今回のプロジェクトは大成功でした。」

基本情報

所在地:
東京都目黒区上目黒ニ丁目19番15号(目黒区総合庁舎)

発足:
1932年10月1日

概要:
昭和7年(1932年)に目黒町と碑衾町が合併し、誕生。
東京都23区の南西部に位置し、面積は14.67平方キロメートル、2023年10月1日現在、約28万人が在籍している。
令和4年4月に「目黒区DXビジョン」を策定し、行政手続きのデジタル化などの業務改善に向けたDXに積極的に取り組んでいる。

URL:
https://www.city.meguro.tokyo.jp/