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SAP S/4HANA Cloud Public Edition 導入事例
株式会社CLホールディングス /
株式会社レッグス 様
SAP S/4HANA Cloud Public Editionを導入し、会計を中心に製販在の可視化を実現。DX推進に向けて成功モデルをグループ会社へ展開
SAP S/4HANA Cloud Public Editionを導入し、会計を中心に製販在の可視化を実現。DX推進に向けて成功モデルをグループ会社へ展開
IP(知的財産)コンテンツと企業マーケティングをつなぐ、ユニークなビジネスモデルで躍進を続けるCLホールディングス。目標として掲げる売上収益1,000億円の企業グループに向け、DXを推進し経営基盤を強化するべく、SAP S/4HANA Cloud Public Editionを、グループの共通プラットフォームとして導入した。先行導入し成功モデルとなったのが、グループ傘下のレッグスだ。SAP クラウド ERP導入における最大のポイントは、業務プロセスを集約し「標準化」を図ったこと。カスタマイズを最小化することで導入・改修コストを抑制、短期間の構築を実現。会計を中心に製販在を可視化し、モノとお金の動きの正確な把握により利益の最大化に貢献している。
導入前の課題
  • ● 会計を中心にモノとお金の動きを把握したい
  • ● 業務プロセスを標準化したい
  • ● 導入コスト、改修コストを抑制したい
導入後の効果
  • ● モノとお金の動きの正確な把握により利益を最大化
  • ● 追加開発3カ月を含め9カ月の短期間構築を実現
  • ● 成功モデルをグループ会社へ展開し、各社の経営基盤を強化


IPコンテンツを活用し顧客接点で新たな価値を創造
物販の見込み型ビジネスで在庫増大が課題に
「エクスペリエンス」と「エンターテインメント」を掛け合わせたエクス・テインメント(エンタメ顧客体験価値)市場を切り拓くCLホールディングス。マーケティング、物販、エンタメコンテンツにまたがる市場の中で、10万カ所以上の幅広い顧客接点でIPコンテンツを活用した新たな価値を創造している。斬新なビジネスモデルについて、レッグス 代表取締役社長 山下聡氏は次のように語る。

「1988年設立(※持株会社体制への移行前)のレッグスは、CLホールディングスの原点です。成長プロセスにおいて、IPコンテンツと企業マーケティングをつなぐというビジネスモデルが生まれました。体験価値を求める『楽しい買い物』需要が拡大する中、コト需要やコト消費を創り出します。顧客接点となる店舗(売り場)も、コンビニエンスストア、外食チェーンやスーパーマーケットなど多種多様です。例えば、コンビニエンスストアでは、ゲームとのコラボレーションキャンペーンと物販を同時に展開しました。また、アニメの世界感をイメージしたテーマカフェも大変好評でした」

山下  聡 氏
株式会社レッグス
代表取締役社長
山下 聡
2022年に、グループ経営管理を行うCLホールディングスによる持株会社体制がスタート。レッグスはグループにおける主要な事業子会社となった。グループ各社は、IPコンテンツをさまざまな手法やカタチで活用し、シナジー効果によりエクス・テインメント市場を拡大。CLホールディングスは、2030年までに売上収益1,000億円を目指し躍進を続けている。成長戦略で転機となったのが、プロモーションといった受注型ビジネスだけでなく、物販を手掛ける見込み型ビジネスを加えたことだ。

見込み型ビジネスは売上拡大、ビジネスの成長につながる一方、在庫増大という重要な問題に直面することになる。「IPコンテンツの活用では、ライセンス契約を結ぶ必要があります。当然、契約期間を過ぎれば関連グッズを販売できません。利益の最大化を図るためには、モノとお金の動きを把握することが必要です。当時、各営業チームは在庫に対する意識が非常に低い状態で、見込み型ビジネスを行っていました」(山下氏)

製販在の可視化を目的に「標準化」に着手
アセスメントを実施し業務プロセスを集約
2016年、レッグスにおいて管理部門を統括していた、米山誠氏(現CLホールディングス取締役)は、見込み型ビジネスを支える製販在の可視化に着手した。「まず、営業チームごとに管理していた倉庫を1カ所に統合し、物理的な在庫の見える化とロジスティクスの効率化を図りました。そのうえで、2017年からシステム化へとテーマをシフトしました。目指したのは、会計を中心にモノとお金の動きを把握できる仕組みの構築です」(米山氏)
米山  誠 氏
株式会社CLホールディングス
取締役
米山 誠
その当時導入していたSAP ECC6.0の保守期限終了への対応をきっかけに、ITによる製販在の可視化プロジェクトが動き出した。従来システムの課題について米山氏は言及する。「当時既存で導入していたERPは、会計用途でしか使っていませんでした。フロントで様々なシステムが動いており、社内エンジニアは、データのやりとりで発生したエラーなどの対応に時間をとられていました。また、現場はExcel中心で業務を行っており、集約できていない属人化したデータの活用も困難でした。さらに、急速な事業拡大に伴い、各部門により個別最適で業務プロセスが設計され、全社観点で把握できない状態となっていました」

レッグスは、製販在の可視化と生産性向上を目的に「標準化」に取り組んだ。実現に向けて、業務プロセスをシンプル化し、業務をERPの機能に合わせる「Fit to Standard」という方針を立てた。パートナーとして提案力や伴走型サービスを評価していた、独立系SIerのフォーカスシステムズに相談。レッグスのシステム導入や運用の実績も豊富で、ERPの豊富な導入経験を有していることも採用の決め手となった。

フォーカスシステムズは、標準化のファーストステップとして複数の業務プロセスを集約するためにアセスメントを実施。フォーカスシステムズとレッグスの社内エンジニアは、各事業領域別に運用されていた23の業務プロセスを、ひとつひとつ洗い出した。「業務プロセスを図形化し、類似性の高い部分を探して5つに集約しました。各部門に対し、標準化の意義に関する丁寧な説明とともに、新システムで“困りごと”を解決するという姿勢を示すことで納得してもらいました」(米山氏)

SAP S/4HANA Cloud Public Editionを採用、
「つくらないシステム」でコスト最適化、
短期間構築を実現
2018年に、レッグスの経営基盤を支える新基幹システムの選定を開始。検討ポイントとして、1.クラウドサービスが基本、2.事業拡大やM&Aなど将来を見据えた拡張性、3.標準化の推進・内部統制強化の実現、4.常に最新環境の利用・運用面の強化が可能、5.投資対効果といった5つを重視。複数製品の中から、SAP S/4HANA Cloud Public Editionを採用した。

「グローバルスタンダードで、当社の要件を満たしていたというのがベースです。また、所有から利用へ、クラウドサービスのメリットを活かすことで、運用負荷を軽減し、IT人材の戦略的活用の推進、使用分だけ支払うサブスクリプションモデルによるコスト最適化などが図れます。7年間の投資対効果を算出したところ、検討した複数製品の中でSAP S/4HANA Cloud Public Editionが最もコストメリットがありました。さらに、SAP ECC6.0からの移行に伴うコスト抑制やリスク回避もポイントとなりました」(米山氏)

2019年1月に、フォーカスシステムズの支援のもとSAP S/4HANA Cloud Public Editionを活用した新基幹システムの構築をスタート。ERP機能に業務を合わせることで「つくらないシステム」をテーマとした。カスタマイズの最小化により導入コストだけでなくバージョン更新時の改修コストを抑制できるからだ。また、構築期間も追加開発3カ月間を含め約9カ月という短期間構築を実現した。

追加開発では、ノーコードで業務アプリを開発できるkintone(キントーン)を活用し、営業の受注・引き合い管理ツールを作成した。営業活動が案件ベースで登録され、ステータスの一元管理を実現。営業部門の“困りごと”の解決に応えたものだ。

モノとお金の動きを正確に把握し利益を最大化
レッグスの成功モデルをグループ会社へ展開
SAP S/4HANA Cloud Public Editionをベースとする新基幹システムは、2019年10月の本稼働後、安定稼働を続けている。安定稼働を支援するフォーカスシステムズの対応力について米山氏は評価する。「運用していく中で生じるバグやトラブルに対し、原因を明確化し迅速かつ的確に対処する、高い技術力とノウハウを有していると感じています」

導入効果について「業務プロセスに関して、標準化された5つのパターンから選んで新規事業に適用していくという、システムの文化が根付いてきたと思います」と米山氏は話し、こう続ける。「モノとお金の動きを正確に把握可能となり、利益の最大化が図れました。さらに、倉庫や店舗に見込みの在庫がどれだけあるのか、モノの動きをトラッキングできるようなりました。契約期間が終了した返却商品数もわかるため、会計的にもスムーズに在庫の棚卸を行っています」

レッグスのSAP S/4HANA Cloud Public Editionによる成功モデルは、DX推進に向けてCLホールディングス、グループ会社へ展開。今後、海外進出する際も同じプラットフォームを利用できる。レッグスの代表取締役社長 山下氏は、新基幹システム導入の意義を経営観点から付け加える。
「CLホールディングスにおいて、グループのコアコンピタンスは、プラットフォーム(顧客接点となる売り場)展開力、商品&サービス品質力、デジタル活用力、IPコンテンツ調達力&展開力の4つです。それを支えているのが、人間力(理念型経営)とマネジメント力(経営マニュアル)です。今回、SAP S/4HANA Cloud Public Editionの導入により、コアコンピタンスを拡張する経営基盤を確立できました。グループ方針である『いくつもの強みを集結し、ひとつの強い集団へ。』の実現に寄与するものです」

エクス・テインメント市場を拡大し、売上収益1,000億円達成を目指すCLホールディングス。フォーカスシステムズはSAP S/4HANA Cloud Public Editionを通じて伴走型で同社の成長を支援していく。

株式会社CLホールディングス
本社所在地:東京都港区南青山二丁目26番1号 D-LIFEPLACE南青山11・12階
事業内容:グループ経営管理に関する事業等
株式会社レッグス
本社所在地:東京都港区南青山二丁目26番1号 D-LIFEPLACE南青山11・12階
事業内容:販促受託事業、エンターテインメント事
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