【インタビュー事例】TS東京様 企業間取引DXソリューション「Biz Connectinon」導入

オフィスビルの内外装工事などを手掛ける株式会社TS東京は、協力会社との取引における非効率な業務プロセスが課題となっていた。
発注請書は紙の書類でやり取りするケースが多く、書類管理の業務負荷が過大だったほか、印紙の貼り忘れによる手戻りも頻繁に発生していた。
そこで同社は、株式会社フォーカスシステムズの企業間取引DXソリューション「Biz Connection」を導入。
月10時間、年間では120時間相当の業務時間削減、コンプライアンス強化、情報検索の効率化など、大きな成果を上げている。

課題

・業務効率化とコンプライアンス対応で取引電子化が急務に
・発注請書の半数近くで印紙の貼付漏れ

ソリューション

・協力会社も使いやすいシンプルなUIを重視して製品選定
・フォーカスシステムズの導入支援体制も高く評価

効果

・発注書関連業務で年間120時間相当の削減効果
・Biz Connectinonへの集約で情報の検索も容易に

【課題】
業務効率化とコンプライアンス対応で取引電子化が急務に
発注請書の半数近くで印紙の貼付漏れ

 TS東京は、オフィスビルの内装・外装の工事や、工事に使用する塗料、各種素材の販売などを手がける。「捨てない・壊さない・取り替えない」をテーマに、オフィスビルの補修、洗浄や機能改善、テナント退去時の原状回復などで、独自の材料・工法を使った付加価値の高いサービスを提供している。

 建設業界全体の課題として、デジタル化、業務効率化の取り組みの遅れが指摘される。TS東京も例外ではなく、内外装工事における協力会社との取引では、紙の書類によるアナログなプロセスが業務のスムーズな進行を妨げるケースが多かったという。

 取引が成立するまでのプロセスは、TS東京が発注書と合わせて発注請書を協力会社に送り、協力会社が請書に必要事項の記入や署名をした上で印紙を貼ってTS東京に提出する形が一般的。発注書と請書の送付こそメールが主流にはなっていたが、協力会社からの請書の提出は大半が紙だったという。営業事務を担当する総務人事部の両角みのり氏は次のように振り返る。

 「協力会社に紙の請書を提出いただく場合、印紙の貼付が必要になります。しかし体感的には半数近くに印紙の貼付漏れがあり、協力会社に差し戻して印紙を貼って再提出していただくという手戻りが発生していました」一部の協力会社は請書をPDFで提出しており、この場合は印紙が不要なため内容に不備があることも少なく、比較的スムーズなやり取りができていたという。ただし、紙の請書は原本としてそのままファイリングして保管する一方で、PDFの請書は基幹システム上に案件情報と紐づけて保存しており、協力会社との取引情報の管理という観点では、運用が煩雑になっていた。

 「元請け会社から、協力会社と発注書と請書のやり取りを適正に行っていることを証明できる資料を求められる場面もあり、従来の管理のやり方では必要な書類を探すのにかなりの時間がかかっていました。月100件以上の案件があり、紙とPDFが混在する中から必要な書類を探すのは骨が折れます。稀にこの段階で請書の回収漏れなどが発覚することもあり、管理手法の抜本的な変革が急務だと感じていました」(両角氏) 

総務人事部 両角 みのり氏

【ソリューション】
協力会社も使いやすいシンプルなUIを重視して製品選定
フォーカスシステムズの導入支援体制も高く評価

 こうした課題を解決するために、2023年、TS東京は発注書関連業務のシステム化を決断。BtoBの取引プロセスをデジタル化、効率化できるツールの情報を収集し、比較検討した。両角氏は製品選定のポイントについて「発注書と請書を同じプラットフォーム上でやり取りしたいというのは大前提でしたが、誰でも直感的に使えるシンプルなUIであることも重視しました。継続的に取引がある全ての協力会社に無理なく使っていただけるシステムを構築する必要がありました」と説明する。

 複数製品から段階的に候補を絞り込み、最終的にBiz Connectionの導入を決定した。デジタルツールに不慣れな協力会社でも使いやすいシンプルなUI、そしてコストなどを総合的に評価した結果だという。
 「基幹システムからBiz Connectionにデータを取り込むと発注書と請書が生成、送付され、協力会社にその旨のアラートメールも送られるという使い方をしており、協力会社側は請書にタイムスタンプを押すだけでやり取りが完了します。シンプルなプロセスですが、他のツールでは請書のPDFデータを協力会社側に作成してもらう必要があるなど、これを実現できる製品は意外に少なかった印象です」(両角氏)
 
 また、Biz Connectionは、発注書、発注請書だけでなく、見積書や請求書、契約書など、さまざまな取引書類をワンストップで管理し、取引業務を幅広くデジタル化できる機能を備えている。将来、事業の成長に伴いさらなる業務効率化が必要になることも同社は想定しており、そうしたニーズに応えられる拡張性の高さも採用を後押しした。

 導入フェーズでは要求定義の抽出などに苦労したが、フォーカスシステムズの支援体制も高く評価しているという。「業務プロセスをヒアリングシートに落とし込む作業は、不慣れで難しかったですが、丁寧にサポートしてくれました。こちらが完全に言語化できなかった要望もうまく汲み取っていただき、想定どおりのシステムを構築できました」と両角氏は手応えを語る。

【効果】
発注書関連業務で年間120時間相当の削減効果
Biz Connectionへの集約で情報の検索も容易に

 24年7月にTS東京はBiz Connectionの本格的な運用を開始し、既にさまざまな効果が表れている。発注書と請書のやり取りはBiz Connectionに集約されたため、関連業務は完全にペーパーレス化され、業務効率は大きく向上した。両角氏は約10時間/月の業務時間を削減できているという。年間では120時間に相当する。

 「これまでは発注書と請書をメールで送付する際に、案件の数だけ発注書をPDF化して、約款も付けて、メールの本文も入力して、という作業をしていたのですが、これらの業務が全て不要になりました。紙の書類の紛失リスクもなくなりましたし、印紙の貼付漏れによる差し戻しといった無駄な手戻りが発生する余地もありません。協力会社側も、想定以上にスムーズにBiz Connectionを利用してくれています」(両角氏)

 協力会社との取引がデジタル化されたことで、過去のやり取りをトレースしやすくなったのも大きなメリットだ。Biz Connection上で必要な情報を検索できるようになったため、元請け会社からの問い合わせに対応する業務負荷を削減できた。過去の取引の不備も発見しやすくなり、月に1回、Biz Connection内を検索して未返送の請書をチェックし、協力会社にメールで通知しているという。これにより、請求書の回収など、後工程もスムーズになった。両角氏は「コンプライアンス対応と業務効率化という二つの観点で大きな導入効果を実感しています」と強調する。

 Biz Connectionを実際に運用してみて、メンテナンス性やサポートサービスのクオリティの高さを改めて実感しているという。
 「簡単なフォーマットの修正などは自分でできるので、外部に改修を依頼する場合とは全くスピード感が違います。また、フォーカスシステムズのサポートチームには、早急に機能を追加してほしいという要望にも迅速に対応していただきました。ユーザーがサポートに連絡するのは緊急に対応したい時が多いはずなので、レスポンスの速さと対応のきめ細かさは大変心強いです」(両角氏)

 TS東京はBiz Connectionの導入を足掛かりに営業事務の生産性向上を推進し、事業の成長を支える業務基盤を整えていく方針だ。

基本情報

社名:株式会社TS東京
設立:1990年2月

事業概要:
 オフィスビルの内装・外装の工事や、工事に使用する塗料、各種素材の販売などを手がける。
「捨てない・壊さない・取り替えない」をテーマに、オフィスビルの補修、洗浄や機能改善、テナント退去時の原状回復などで、独自の材料・工法を使った付加価値の高いサービスを提供

URL:https://ts-tokyo.co.jp/